6.12.2014

UN INTERNATIONAL MEDIA SEMINAR ON PEACE IN THE MIDDLE EAST

堀尾 藍(INDIGO MAGAZINE 編集長)


69日・10日の両日、上智大学にて2014年国連中東和平国際メディアセミナーが開催された。


ここでは大きく5つのテーマに区分され、議論された。その5つとは、1.中東和平の現状、2.イスラエル・パレスチナ紛争と中東和平に関する報道の変遷、3.難民をめぐる報道とその文脈―ヤルムーク難民キャンプに焦点を当てて、4.中東情勢に関する日本のメディアの報道―メディアは日本政府のパレスチナ支援をどう報じてきたか、5 中東情勢報道に向けた新しいメディア・ツール:インフォグラフィック-ジャーナリズムとデザインの融合、についてである。 
  
なぜ、パレスチナ問題は、このように長期化し、パレスチナ人が祖国を追われ、中東の難民キャンプで生活を強いられているのだろうか。


Mr.Chris Gunness(UNRWA)は「プロパガンダが上手く機能しているため、検証が困難になっている。パレスチナ側、イスラエル側の両方の主張がある。一方は相手を「テロスト」と呼び、もう一方は戦争犯罪者、と呼んでいるのである」と主張した。
  これに対し、Mr.Faisal Irshaid (英国国営放送:BBC)「メディアは極論になる場合がある。シリアのメディアは政府寄り(体制型)である。アルジャジーラは反政府側。
BBCだから、必ず報道が正確である、と判断するのではなく、様々な視点が重要である。パレスチナ難民が帰還すれば良い、と言われているが、様々なプレーヤーが自ら問題解決に取り組む必要がある。」と指摘した。

           写真左からAmbassador Lyutha Al-Mughairy(国連情報委員会議長・オマーン国蓮常駐代表),Ambassador Waleed Siam(パレスチナ駐日大使)、布施広(「季刊アラブ」編集長・毎日新聞 論説室専門編集委員)、長谷川由紀(読売新聞 東京本社甲府支局長・元カイロ支局長)


 (写真左から) Mr.Rarmzi Jaber、Ms.Roni Levit、 Mr.Takashi Tokuma, Mr. Ahmed Shihab-Eldin。パレスチナ及びイスラエルの現状を可視化することによって、国際社会にどのようにアプローチができるか、その可能性について議論。パネリストによる可視化された情報の提供によって、会場が一体化した。

 (写真)Ambassador Riyad Mansour(パレスチナ国連大使)
 「パレスチナ及びイスラエルの両者が交渉の場につくのが重要である。またパレスチナ新政府はアッバース議長の下で主導され、こちらからのパレスチナ自治政府に対する要求も和平交渉に必要である」と指摘した。


 (写真) 飯村豊・日本政府代表部

日本は資源が豊富ではなく、オイルショックによって生活が混沌としたことを例とし、日本と中東との連携の重要性を指摘した。 

<国連セミナーに出席をして>
 中東問題、とりわけパレスチナ・イスラエル問題は長く、複雑なものである。
長期化する紛争、戦争によって利益を得るのは国民ではなく、軍需産業や利権の関係者である。
 グローバル化により、インターネットの普及が急速になされ、新しい報道のあり方が議論されるようになった。検閲がある大手報道機関にはない、メディアのあり方を問うセミナーであった。データーを可視化すると確かにインパクトが強い。けれども、その数字の一つ一つがパレスチナ人の尊い命であることを忘れてはならない。





■プログラム(UNIC)



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