11.13.2009

INTERVIEW: MARKUS VETTER, The Heart of Jenin (日本語版)

Speaker; MARKUS VETTER, a movie director
Interviewer; AI HORIO
Place; From Japan to Israel , Date/ Oct.2009


INTERVIEW: MARKUS VETTER, The Heart of Jennin
Interviewer; Ai Horio
Q 1(INDIGO MAGAZINE): 本作品を撮影しないかと話を頂き、引き受けたということですが、撮影を引き受けた動機は何でしたか?また、なぜご自分にお話しがきたのでしょうか?
A:マルクス:この映画は自分の私のアイデアではなかったのです。映画のプロデュ-サーから映画を撮影しないか、と話を頂きました。もともとイスラエル人の映画監督がこの作品を着想し、2005年から資金集めを始めていたのですが、当初、集まりませんでした。当時のイスラエルではこの映画のストーリーに対して興味を示す人がいませんでした。そのため、僕達はドイツから資金提供を受けることを考えたのですが、直ぐには集まらず、実現するまでに2年かかってしまったのです。資金を提供してくれたドイツの企業がユダヤ人の映画監督と一緒に撮影するなら、と提案したのです。もちろん、我々ドイツの歴史を考えると、ユダヤ人の映画監督と一緒にパレスチナ問題について映画を撮影するのは、大変興味深いことでした。そこれで、プロデューサーから、このお話をいただいたとき僕は「分かりました。映画を撮ります」と即答したわけです。
Q: 一緒に撮影したもう一人の映画監督はドイツ人ですか?
A マルクス:いいえ。彼は、元々アメリカ系ユダヤ人で、今はイスラエル国籍です。
Q2:映画の撮影に入ってからあなたの心境にどのような何か変化がありましたか?パレスチナ問題に関する意識がどのように変化しましたか?
Aマルクス: 本当に僕の人生は変わりました。当初、イスラエルでは、周囲が私に「ジェニンはとても危険な所だから行くべきではない」と誰もが止めたのです。「彼らは僕を殴られるとか、誘拐される、と警告するのです。けれども、実際に行くと、全く違いました。皆、とても素晴らしい人達で、ごく普通の生活を送っていたのです。人々は普通の生活を送っていました。即座に、僕は、ここに住んでみよう、そして、NGOを設立することで彼らを助けよう、と決意しました。ジャーナリストは1分か2分の報道をするだけで、本当のことを知りません。私たちは報道を耳にしたり、見たりしますが、現実とは異なります。視聴者が現地に訪れず全ての世界を知る、ということは出来ません。どうか、報道を頭から信じるのは止めていただきたいのです。僕がここの状況を伝え続けます。ぜひ、実際にこの地をに訪れて欲しいと思います。ウェスト・バンクに訪れることを恐れないで欲しい。ここジェニンは世界で最も危険な場所の一つになっていますが、ここはアフガニスタンとは違います。ではない。ここ、ジェニンは、とても平和で、穏やかな場所です。
僕はこの地で住民を手助けするために、ここに住んでいます。そのことが僕の人生の大きな変化です。
Q3撮影するにあたり、これでけは気をつけようと思ったことはありますか?
A 映画は両民族間での臓器提供、受け入れの話を取り上げています。臓器提供者の父親はパレスチナ人ですが、クリスチャンで、臓器受け入れ側はクリスチャンではありません。つまりユダヤ人です。けれども、父親は臓器を受け入れる側の背景とは関係ない、と言いました。この作品は恐らく成功と言えると思いますが、難しいことが多かったです。ユダヤ人の家族は臓器提供者の家族と会いたくない、と言っていました。臓器提供側のパレスチナ人家族はとても敬虔深く、ユダヤ人の臓器の受け入れ側を拒否しませんでした。
そこで、この映画の観客は、「あぁ!私達はイスラム教徒に対して違った考えを持っていた」って気付くでしょうね。
僕はこの話をできるだけ多くの人に他者に伝える必要がある、と考えています。この作品は恐らく成功したと言えると思いますが、難しいことも多かったです。
Q4: 映画で登場した「臓器提供側の父親」と「臓器受け入れ側であるユダヤ人家族」はお互いに交流がありますか?映画の登場人物と今も交流がありますか?
Aほとんど、ありません。イスラエル側はパレスチナを訪れることを恐れ、パレスチナ側もイスラエルの地を訪れるのの恐れています。そして、イスラエル側はパレスチナ人が自分達の領土に来ることを恐れています。二つの民族がコミュニケーションを取り合うことはとても難しい状況です。なぜなら、ジェニンに来たがらないし、恐れているから。報道関係者も同様で、危害を加えられることを恐れてウェスト・バンクに来たがりません。
時々、臓器を提供した僕に会いにパレスチナ人の家族は僕を訪れてくれますが、それでもユダヤ人の家族とは会っていません。
Q5:映画は何人の方が鑑賞し、どのような国で上映されましたか?また、今後どのような場所で上映さますか?
A この映画は多くの国際映画祭で上映されています。韓国、オランダ、イギリス、スペインほとんどの国で上映されています。この作品はとてもデリケートな問題だ。なぜならパレスチナ問題に正面から向き合っていて、とてもデリケートな問題に正面から向き合っています。そして、皆が映画を待っています。
Q 日本に対してどのようなことを期待していますか。
A 日本の観客や企業に対して伝えたいメッセージは、どうか、我々をサポートして欲しい、ということです。映画を鑑賞し、イスラエルに来て欲しい。我々(ドイツ人及び日本人)はイスラエルを訪れる必要があります。そして、どうかウェスト・バングやジェニンを訪れてください。
また、映画を撮影したり、ワークショップをするために機材が必要なので、日本企業のサポートが必要です。
Q:あなたが関わっているNGOのために?
A そうです。パレスチナの子ども達の未来のために一緒に映画を撮影し、ワークショップを行っています。
Q6: 鑑賞者の質問の中で印象に残っていることは何ですか?
A イスラエルの子ども達、学校関係者が印象深かったです。イスラエルの映画祭では鑑賞後、観客がスタンディング・オべーションをしてくれました。イスラエル人の市民がですよ。とても感動的でした。
Q7: イスラエル政府側から何か圧力がありましたか?
A イスラエルで映画祭が開催され、この映画が上映されたのは事実です。しかし、イスラエル政府とはコミュニケーションはありませんでした。イスラエル政府は全てを見せたくないからです。イスラエル政府は映画を短縮した映画を鑑せたがったのです。イスラエル政府は、イスラエル政府はこの映画を聴衆に観せたくなかったし、政府はこの映画を愛することもできないでしょう。
Q8:パレスチナ問題解決について、どのような見通しを持っていますか?
A とても難しいと思います。また、我々はこの状況の出口をを見出すことできません。再び戦争が勃発するかも知れない。パレスチナやイスラエルの父親同士は戦争を起こしたくないでしょう。しかし、政府は分かりません。そのために、私達はこの映画のために立ち上がりました。私達は、人々の平和な顔を見たいのです。一部のイスラエル人は映画を観賞するためにジェニンに訪れてくれたました。そして、イスラエルのある人達はパレスチナ人と対話もをしました。人はね、人間同士、お互いに話し合うことが、とても大切なんですだよ。ここでの平和はもはや政府が作り出すものではない。時々、私は世界が政府によって良くなるのではない、と考える時さえあります。なぜなら、多くのイスラエル人やパレスチナ人は平和を望んでいるのですから。しかし、彼らはとても神経を尖らせています。
彼らはお互いにもっと対話を深める必要があります。ここの人達はどのようにすれば平和が構築されるか、お互いに話し合う場がないことが問題です。
Q9:壁は、果たして解決策に貢献すると思いますか?
A  恐らく、壁は自爆テロから人々を守り、また、自爆テロを抑止する効果があるかも知れません。どうすれば、それがなくなるのか、あなたが分からないように僕も分からない。誰もその答えは分からない。私達は人々を尊敬し、訪問者を歓迎します。私達は人間が好きですからね。
どうか、彼らを嫌いにならないで欲しいのです。
戦争の前、パレスチナの経済は良好でした。しかし、戦争後、経済は破綻してしまいました。私達は経済が良くなることが本当に必要です。
Q10:オバマ政権はイスラエル寄りの姿勢を切り替えていますが、米国はどうすべきですか?
A オバマ大統領は希望を与えてくれると期待しています。しかし、正直、彼が平和をもたらしてくれるとは思えません。私は政治家が平和をもたらす、という期待を持てないのです。むしろ、一般の人々の力こそ、平和をもたらすと考えています。オバマ大統領が人々の平和構築に対して支援してくれるならば、期待は持てます。また、私は、アメリカがイランを攻撃しないことを願っています。イランを攻撃することは再び悲惨な状況を生み出しますから。
Q11 :NGO活動について詳細を教えて下さい。NGOのスポンサーはどのような方が多いのでしょうか?
A 私達の活動の主なスポンサーはドイツ政府です。また、ドイツの文化支援組織、ドイツの大企業からです。このように私達のNGOの主な資金源はドイツです。しかし、私達はすべて全ての国からの援助が必要です。日本の電気メーカー、(例えばSONY Panasonic Canon)からの援助に期待したいです。なぜなら、私達のNGOは、現地で映画を製作し、それをドイツなどと言ったヨーロッパや日本で上映する活動を展開し行っています。また、ワークショップを実施するためにも機材が必要です。
こここでは多くの人々がボランティアを行ってくれていますが、まだまだ多くの支援が必要です。
Q12 今後のNGO活動展望について教えて下さい。(NGOについて、映画の次回作について)
将来はここで映画の製作会社や映画学校を設立出来れば良いな、と考えています。人々の夢がはここで作られるますから。
Official site of the Cinema Jenin


*I will publish this interview in English.
-Editor in Chief

MARKUS VETTER, a movie director from Germany
A delegate of NGO

映画監督。ドイツ人。
パレスチナのJeninで映画を撮影したことがきっかけで、Jennin でNGOを設立し、現地の子ども達に映画の撮影方法を教授し、またワークショップを通して平和活動を実施。

○映画「The Heart of Jenin」のストーリー
Jeninにおいてパレスチナ人の少年がイスラエル兵によって射殺される。そして、少年の父親は臓器提供を決意するが、受け入れ側の一人がユダヤ人の少女だった。この作品は、「同じ人間だから」と言って臓器提供を承諾したパレスチナ人の父親、そして、手術後にパレスチナ人が提供者だと知り嫌悪感を抱くユダヤ人の父親の状況をドキュメンタリーで描かれている。


■Official site of the Cinema Jenin
公式ホームページ

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